尾畠さんの活動を語る上で欠かせないのが、家族、とりわけ妻・久子さんとの関係です。長年連れ添った妻は、尾畠さんのボランティア活動を止めず、お互いに自立した距離感を保ちながら信頼を寄せてきました。世間からは風変わりな夫婦関係に見えることもありますが、尾畠さん本人は常に家族への感謝を口にしています。
また、救出劇の功績によって国や自治体から栄誉や表彰の話が持ち上がった際、尾畠さんは叙勲や公的な褒賞を辞退したことでも話題を呼びました。
辞退の理由は明確でした。「名誉やお金のためにやったことではない。困っている人を助けるのは当たり前のことで、賞をもらう筋合いはない」という一貫した美学です。謝礼金や寄付金も一切受け取らない徹底ぶりは、利己的な動機を完全に排除した純粋な善意のあり方を社会に問いかけました。