健康診断の結果で「正常」のカテゴリに分類されていても、胸を張って安心できるとは限らない。医療現場が最も警鐘を鳴らしているのが、最高血圧が120〜129mmHgの「正常高値血圧」や、130〜139mmHgに達する「高値血圧」と呼ばれる灰色の領域だ。一見すると病的な異常値には見えないため放置されやすいが、この段階から血管の内皮細胞は着実にダメージを受け続けている。
特に注意を要するのが、診察室での一回限りの測定では捉えきれない潜伏リスクだ。朝の起床直後に急激に圧が跳ね上がる「早朝高血圧」や、夜間になっても数値が下がらない「夜間高血圧」は、通常の健診をすり抜ける。血管が慢性的な高圧状態に晒されることで、自覚症状がないまま脳卒中や心筋梗塞、腎機能低下を引き起こす危険な病巣が水面下で肥大化していく。