自分のクセ字に長年引け目を感じてきた人でも、諦める必要はまったくない。字の印象をガラリと変えるための筆記のアプローチは、驚くほど明確だ。「大人可愛い」と評される文字の共通点を紐解くと、簡単に真似できる3つの法則が存在する。
第1の法則は、文字全体の「重心」を下寄りに設定することだ。文字の腰を据えるように下部に安定感を持たせることで、丸みを帯びたフォルムであっても幼さを脱却し、落ち着いた落ち着きと上品さが漂う。第2の法則は、「余白の均等化」と「11度の右上がり」を徹底すること。線と線の間のスペースを揃え、横線をほんのわずかに右上がりに走らせるだけで、誌面全体の整律感が一気に跳ね上がる。
そして第3の法則が、文字の折り返しや角(かど)に柔らかな丸みを与えること。カチッとした活字のような硬さを削ぎ落とし、適度な抜きを生み出すことで、まるで洗練された「手書きフォント」のような絶妙なぬくもりが完成する。この3法則を意識するだけで、長年のクセ字は個性的で味のあるこなれ字へと変貌を遂げる。