2002年に都内のホテルで執り行われた結婚披露宴は、日本のアニメ・漫画界の歴史に残る伝説的な一夜となりました。スタジオジブリの宮崎駿監督や鈴木敏夫プロデューサー、ガイナックスの幹部陣、講談社・祥伝社をはじめとする大手出版社の敏腕編集者たちが一堂に会する異例の光景が広がったのです。
なかでも参列者の度肝を抜いたのが、主賓として登壇した宮崎駿 披露宴での祝辞でした。宮崎監督は新婦の安野モヨコ氏に向かい、開口一番こう語りかけました。
「モヨコさん、よくぞ庵野を引き取ってくれました。庵野を嫁にもらってくれて本当にありがとう。どうか彼を捨てないでやってください」
会場を爆笑と温かい拍手に包み込んだこのスピーチは、庵野監督の破滅的な私生活と繊細すぎるメンタルを誰よりも熟知していた宮崎監督ならではの、最上級の愛情表現でした。日本を代表する巨匠たちからも「この人しか庵野秀明を支えられない」と満場一致で祝福された瞬間でした。