耳たぶの厚みや皮膚の強度には大きな個人差がある。圧迫力に対する許容量を超えたとき、悲劇は起きる。現在主流となっているネオジム磁石は、従来の磁石とは比べものにならないほどの強力な保持力を持つ。そのため、耳たぶに装着した瞬間に過度な圧力がかかり、局所の血流が完全に途絶えてしまうケースがあるのだ。
装着後に訪れる強い痛みや皮膚の変色は、細胞が酸欠状態に陥っているサインに他ならない。これを無理に我慢して放置した場合、皮膚組織が不可逆的なダメージを受け、「耳たぶ圧迫壊死」へと進行する。ファッションアクセサリー産業が急成長を遂げる中で、人体への生理的影響に関する検証が置き去りにされていた側面は否定できない。