ピエール瀧氏と石野卓球氏による「電気グルーヴ」の対応は、日本の音楽シーンにおける一つの金字塔的なケーススタディとなった。大手レーベルからの離脱や自主レーベルでの活動再開など、既存の芸能システムのルールに頼らない独自の回路を切り開いたからだ。
彼らのファン層は、スキャンダルによって離れるどころか、自立した表現活動を支持する熱量を取り戻した。大手芸能プロダクションの力学やメディアの忖度(そんたく)に頼らずとも、ダイレクトにリスナーと繋がるエコシステムを構築できる――この事実は、後に続く多くのアーティストにとって大きな勇気となったはずだ。