こうしたカリスマの多面性は、映像メディアの世界でも絶好のテーマであり続けている。伝記映画である映画『スティーブ・ジョブズ』では、彼の光と影、人を惹きつける魅力と同時に凄惨な葛藤や歪みが容赦なく描き出された。
さらに近年、NetflixやHBOといったグローバル配信プラットフォームで話題を集める数々のノンフィクションやドキュメンタリー番組は、指導者たちの実像を解剖している。新興企業の創業者やカルト的コミュニティのリーダーたちが、いかにして言葉巧みに他者を支配し、時には組織を破滅へと追いやったのか。スクリーンに映し出されるのは、美化された神話ではなく、人間の心理的隙入を突く冷徹な行動メカニズムだ。