抗コリン薬の作用を丸暗記しようとすると、試験本番の緊張感のなかで交感神経刺激薬と混同してしまいがちです。副交感神経の神経伝達物質であるアセチルコリンがムスカリン受容体に結合するのを邪魔するのが抗コリン薬の本質です。つまり「リラックスして消化や排泄を行う副交感神経モード」を強制的にオフにし、見かけ上「戦う・逃げるモード(交感神経優位)」に近い状態を作り出します。
この生理作用を頭に入れたうえで、頻出の副作用(抗コリン作用)を以下のゴロ合わせでまとめて頭に叩き込みましょう。
【抗コリン作用の覚え方ゴロ】
「あっコリンと散歩で狡猾(こうかつ)な便秘、尿が出ん!」
- あっコリン:抗コリン薬
- 散歩(さんぽ):散瞳(まぶしさ・ピント調節障害)
- 狡猾(こうかつ):口渇(唾液分泌抑制による口の渇き)
- 便秘:便秘(消化管運動の抑制)
- 尿が出ん:尿閉・排尿困難(膀胱平滑筋の弛緩+内尿道括約筋の収縮)
- +α(心拍数):頻脈(洞結節のM2遮断によりブレーキが外れる)
副交感神経が働くときは「唾液や胃液を出して消化し、膀胱を縮めて尿を出し、瞳孔を縮めて目を休める」状態です。抗コリン薬はその逆を起こすため、「分泌が止まる(乾く)」「筋肉が緩んで管が動かない(出ない)」「瞳が開く(見えない)」と整理すると理解が深まります。