ネット上の情報やSNSのコミュニティでは、「千葉シティは平坦だから誰でも楽勝」「練習不足でも機材さえ良ければタイムが出る」といった言説が散見されます。しかし、現場を取材するスポーツジャーナリストの視点からは、こうした言説には重大な見落としが存在します。
第一の誤解は、「平坦コース=体力的負荷が低い」という思い込みです。アップダウンのあるコースでは下り坂で脚を休める(ペダリングを止める)インターバルが存在しますが、完全フラットなコースでは常に一定の出力(ワット数)でペダルを回し続けなければならないため、大腿四頭筋や臀筋への局所的な疲労が蓄積しやすい構造になっています。特にDHバーポジションを長時間維持するための体幹筋力が不足していると、ランパートに入った途端に重度の脚攣りに見舞われます。
第二の盲点は、バイクの周回遅れとドラフティング問題です。周回コースを採用しているため、トップカテゴリーの選手と後方グループが混走する局面が生じます。前走者の背後に密着して風圧を避ける「ドラフティング」は一般エイジグループでは明確な違反行為(ペナルティ対象)であり、コース上のマーシャル(審判員)による厳格な取り締まりが行われています。ルールを知らずに前の選手について走ってしまうことのないよう、競技規則の事前把握が不可欠です。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
運動生理学やレースマネジメントの観点から導き出される、本大会の適性判断基準は以下の通りです。
【本大会へのエントリーを強く推奨できる人】
- 初めてのトライアスロンとして、完走の達成感を確実に味わいたい初出場者。
- 遠征費や宿泊手配の手間をかけず、首都圏近郊でスマートに日帰り参戦したい都市型アスリート。
- フラットコースでペースを緻密にコントロールし、オリンピックディスタンスでの自己ベスト(PB)更新を狙うシリアスランナー。
【エントリーに際して慎重な準備・検討が必要な人】
- プールでの競泳経験しかなく、視界不良のオープンウォーター(自然水域)での集団泳に強い恐怖感がある人(事前のOWS講習会受講が前提)。
- 一定の巡航速度を維持する練習を積んでおらず、ヒルクライムのような斜度変化のリズムでしか脚力を発揮できない人。