神戸市長田区駒ヶ林町は、古代より瀬戸内海航路の要衝として栄えた港町です。その歴史は極めて古く、平安時代末期には平清盛による福原京造営に伴い、大輪田泊(現在の兵庫港周辺)の外港および防衛の拠点として重要な役割を果たしました。地名の「駒ヶ林」は、かつて武士たちが馬を訓練した林があったことや、朝鮮半島からの渡来人が馬を繋いだ地であることに由来するなど諸説が伝えられており、古くから人や物資の交流点であった歴史を物語っています。
この地域の精神的支柱であり続けているのが、応神天皇などを祀る駒林神社です。同社は「いかなごのくぎ煮発祥の地」としても知られ、播磨灘の豊かな海の恵みとともに歩んできた港町の記憶を今に伝えています。特に毎年1月中旬に斎行される駒林神社 厄除け大祭は、神戸市内外から数万人規模の参拝者が訪れる一大神事です。七福神の仮面を被った人々が練り歩く伝統行事「厄払い神事」など、地域の強固な絆と伝統文化の重みを現場で肌で感じることができます。