流雪溝とは、道路や歩道の下に整備された専用水路に雪を投げ入れ、流れる水の勢いを利用して河川や雪捨て場まで雪を運ぶ豪雪地帯の除排雪システムです。豪雪地帯における最大の課題である「雪をどこへ捨てるか」という堆雪場所不足を一挙に解決する画期的な仕組みとして、新潟県、山形県、秋田県、富山県、福井県、北海道などの特別豪雪地帯を中心に広く整備されています。
システムの心臓部となる流雪溝の水源には、主に近くを流れる一級・二級河川の河川水や農業用水路、発電所の放流水などが利用されます。一般的な下水道とは完全に分離されており、冬期間に農業用水の需要が減る時期を利用して流雪溝へ通水するケースが主流です。
水路内には一定の水深(通常20〜40cm程度)と流速(秒速1.5〜2.5m前後)が保たれており、投入された締まった雪や氷の塊を押し流します。高低差を利用した自然流下方式のほか、地形的に傾斜が緩やかな地域では大型ポンプで水を循環・圧送するポンプ加圧方式も導入されています。各家庭の前には「グレーチング」と呼ばれる金属製の格子蓋が設置されており、この蓋を開けて雪を流し込むことで、敷地前を除雪したその場で雪を消し去ることができる構造です。