タイムトライアルに挑戦するアマチュアアスリートが現場で最も頻繁に陥る失敗が、「スタート直後のオーバーペース」です。
持久系スポーツの生理学データによると、スタート直後はアドレナリンの分泌により苦痛を感じにくく、設定した閾値パワー(FTP)を20〜30%も上回る出力で飛び出してしまいがちです。しかし、レース前半で一度でも無酸素運動ゾーンに突入して乳酸が急激に蓄積すると、中盤以降の出力は15〜25%も低下し、トータルタイムで大幅なロスを被ることになります。
トッププロが実践するペーシング 配分の基本原則は以下の通りです。
- 平坦・無風区間:自身の閾値出力(FTPの100%前後)を均一に保つ「イーブンペース」。
- 登坂・向かい風区間:空気抵抗や重力抵抗が増大する区間では、出力をやや高め(FTPの105〜110%)に引き上げる。速度が低下する区間でのパワーアップが最もタイム短縮効率が高いためです。
- 下り・追い風区間:出力を無理に上げず(FTPの90〜95%)、深いエアロポジションを維持して空気抵抗の削減に専念する。
実戦的なタイムトライアル 練習方法としては、パワーメーターやGPSウォッチを活用し、あらかじめ設定したターゲット出力を1ワット・1秒の狂いもなく20分間維持する「FTPインターバルトレーニング」や、実戦コースを想定した「エアロポジション維持走」が不可欠です。