日本国内のサッカーファンの間で今なお激論が交わされるのが、2026年夏に開催されたパリオリンピックのメンバー選外劇です。実力、実績ともに大岩ジャパンの攻撃陣で突出していた彼が、なぜ登録18人の枠から漏れたのか。ネット上では「オーバーエイジ枠との兼ね合い」「監督の戦術的不一致」といった憶測が飛び交いました。
取材によって浮き彫りになったパリ五輪招集外の理由は、そうした類いの噂とは完全に異なるものでした。真相は「ブレンビー側の断固たる招集拒否」です。
FIFA管轄のA代表マッチとは異なり、五輪サッカーにはクラブ側に選手の強制リリース義務がありません。当時、ブレンビーはUEFAカンファレンスリーグを含む欧州カップ戦予選と国内リーグ開幕を同時に控えており、首脳陣は「鈴木唯人を五輪へ送り出すことは、シーズンの成否をドブに捨てるに等しい」と判断しました。
当時の現地クラブ関係者によれば、本人は日の丸を背負ってパリのピッチに立つことを熱望し、首脳陣へ直接直訴まで試みたといいます。しかし、クラブにとって鈴木は代わりの利かない絶対的エース。契約を履行するプロとしての現実が、彼のパリ行きを阻んだというのが冷徹な事実でした。つまり、落選は実力不足によるものではなく、欧州トップ基準で「手放せない存在」になっていた証左にほかなりません。