「どっちが体に悪いのか」という問いに対し、医学的な観点から答えるならば「長期的な生命の危機(発がん・組織破壊)をもたらすタール」と「脳をハッキングして喫煙を継続させるニコチン」という関係性にあります。どちらがより有害かを単純に競うのではなく、両者が最悪のタッグを組んでいる点にタバコの恐ろしさがあります。
タールには70種類以上の発がん性物質が含まれており、肺がんをはじめとする各種悪性腫瘍、肺気腫(COPD)などの不可逆的な疾患を直接引き起こします。一方でニコチン自体に強い発がん性は確認されていないものの、青酸カリに匹敵する急性毒性と、麻薬に匹敵する強烈な神経依存性を持ちます。
つまり、ニコチンが脳内に「吸いたい」という抗えない欲求を植え付け、その結果としてタールという猛毒を毎日体内に流し込ませる構造ができあがっています。「銃弾(タール)」と「引き金を引かせ続ける指(ニコチン)」に例えられる通り、人体破壊の実行犯と黒幕という決定的な役割の違いが存在します。