現代のフライトにおいて、最も多くの人が嵌まりやすい落とし穴が「オンラインチェックインを済ませ、手荷物がないから直前でも平気」という過信です。
ネット上の簡易な情報サイトでは「手荷物がなければ出発30分前の空港到着でも間に合う」といった極端な言説が散見されます。しかし、これは各ステップでの待ち時間が「ゼロ」であることを前提とした非現実的な計算に過ぎません。2026年現在、保安検査場には最新型のスマートレーンが順次導入され、PCや液体物を鞄から出さずに通過できるレーンが増加しているものの、それでも週末や混雑時間帯には処理能力を上回る乗客が押し寄せます。
また、「万が一遅れても、名前を館内アナウンスで呼び出して待ってくれる」というのも昭和・平成初期の古い思い込みです。現在では定時運航規律の徹底とプライバシー保護の観点から、無制限な呼び出しや個別捜索は行われません。搭乗口の締め切り時刻を過ぎた瞬間、システム上で搭乗拒否処理が下され、預けていた手荷物はテロ対策の観点から機内から即座に降機(荷降ろし)作業に回されます。
不可抗力や自らの過失で飛行機に乗り遅れてしまった場合、どのような実害が発生するのでしょうか。大手航空会社の普通運賃など一部の柔軟なチケットを除き、現在主流となっている早期購入割引運賃(ANAの「トクたびマイル」「SUPER VALUE」、JALの「スペシャルセイバー」など)やLCCの運賃は、「自己都合による乗り遅れ時の便変更・払い戻し不可」が契約条件となっています。乗り遅れた瞬間、その航空券は紙屑となり、目的地へ向かうためには当日購入の高額な普通運賃(片道3万〜4万円以上)を新たに自腹で支払わなければならないのです。