往年の実業団選手や指導者の証言、陸上競技関係者の手記を検証すると、ベリーロールの最大の難関は「抜き足(トレイルレッグ)の処理」にあったことが分かります。
「上半身とリード脚が完璧にバーを越えても、最後に残った踏み切り足の膝や足首がバーに引っかかって落下させてしまう」「バー上で回転しようと意識しすぎて踏み切りが流れてしまう」といった現場の悩みは当時から絶えませんでした。
特に股関節の内旋・外旋および内転・外転の柔軟性が不足している選手の場合、バー上で腰を素早く返す動作が物理的に間に合いません。背面跳びが「踏み切って背中を反らせ、タイミングよく足を跳ね上げる」という直線的なタイミングに近いのに対し、ベリーロールは「踏み切りから着地まで身体を連続的にひねり続ける」という極めて繊細な3次元的コントロールが要求されるため、習得にかかる練習量が膨大になるという実態がありました。