Q1:赤道直下では台風は絶対に発生しないのですか?
A1:統計上、赤道から緯度約5度以内の領域では、台風(熱帯低気圧)の発達は極めて稀です。コリオリの力がゼロに近いため、低気圧の中心に向かって四方から吹き込む風が回転運動へと成長できず、中心の気圧を維持・低下させる渦構造が成立しないためです。過去に極めて稀な例外(2001年の台風26号「ヴァメイ」など)が記録されていますが、これは局地的な気流の強い衝突という特殊条件が重なった極めて特異なケースです。
Q2:人間が全速力で走ったり、新幹線に乗ったりしてもコリオリの力は感じられますか?
A2:人間の感覚器官で直接体感することは不可能です。時速300kmで疾走する新幹線であっても、車両に加わるコリオリの横向きの力は車両重量全体の数千分の一以下というごく僅かなものです。レールの摩耗を長期間計測すると外側レールの減り方に微小な偏りとして現れるレベルであり、乗客がカーブのように横揺れを感じることはありません。
Q3:コリオリの力と遠心力の違いは何ですか?
A3:どちらも「回転する座標系(回転体の上)」にいる観測者だけが感じる見かけの力(慣性力)ですが、作用する条件が異なります。遠心力は「回転体の上に静止していても外側に向かって常に働く力」です。対してコリオリの力は「回転体の上で、物体が移動した瞬間にだけ進行方向と直角に働く力」です。動いていない物体にはコリオリの力は一切発生しません。
Q4:地球が逆回転(東から西へ自転)したら台風の渦はどうなりますか?
A4:もし地球の自転が現在と正反対になれば、北半球におけるコリオリの力は「進行方向の左側」へと働くようになります。その結果、日本列島を襲う台風の渦はすべて時計回り(右巻き)へと逆転し、上空の偏西風も東から西へと逆流することになります。地球の自転方向こそが、全地球規模の気象の向きを決定づけるマスターキーです。