多くの家庭で慣習的に行われてきたくし形切りは、皮を剥き、種と芯の周辺を斜めに削ぎ落とす工程で、果実全体の約15〜20%を廃棄していました。これに対し、日本一の生産地である青森県りんご対策協議会が長年にわたり啓発を続け、2026年現在で完全に家庭のスタンダードとして定着したのが、青森県推奨りんごの輪切り、通称「スターカット」です。
スターカットの手順は極めてシンプルです。りんごを洗った後、ヘタを横に向けて置き、端から輪切り(厚さ約1〜2mm〜5mm程度)にスライスしていきます。芯の部分が星の形のように見えることからこの名がつけられました。中央の種と極小の芯の房だけを残して周囲をそのまま食べるため、りんごの切り方簡単時短の決定版として支持を集めています。
この切り方の最大のメリットは、皮ごと食べるメリットを極限まで引き出せる点にあります。りんごの皮やその直下の果肉には、果肉中心部の約3〜4倍のポリフェノール(プロシアニジン)や水溶性食物繊維のペクチンが含まれています。従来の切り方では皮の硬さが気になりがちでしたが、薄い輪切りにすることで皮の繊維感が大幅に軽減され、子どもや高齢者でも抵抗なく食べられる構造的利点があります。