ネイルサロンのメニューで頻繁に見かけるようになったネイルのフィルイン(一層残し)とは、前回の施術時に塗布したベースジェルを完全にオフせず、爪に密着している最下層だけを極薄に残し、その上から新たなジェルを重ねていく技法を指します。従来のアセトンオフとフィルインの決定的な違いは、施術ごとに自爪の表面を削り直す必要があるかどうかという点にあります。
一般的なアルミホイルを巻いて落とすアセトンオフでは、有機溶剤であるアセトンが皮膚や爪の油分・水分を強烈に奪い去り、白濁や乾燥、二枚爪の原因となります。さらに、ふやけたジェルをメタルプッシャーでこそぎ落とす際、どうしても自爪の表面を傷つけてしまいます。これに対してフィルインでは、カラージェルとトップジェルの層だけをネイルマシンで精密に削り落とし、自爪に強固に定着しているベースジェルをあえて残します。
これがフィルインで自爪が傷まない理由の根幹です。自爪へのサンディング(表面の目荒らし)は、新しく伸びてきた根元の爪(キューティクル付近)に一度だけ施せば済むため、同じ爪の部位が二度、三度と削られる悪循環を物理的に遮断できます。「爪がペラペラになってジェルをお休みしなければならない」という長年のジェルネイルユーザーが抱える悩みを根本から解消するアプローチとして支持を集めています。