超大国間の対立構造が変容し、地域勢力が独自の外交を展開する現代の国際政治・社会情勢は、従来の単純な図式では説明がつかない。中東や欧州、アジア太平洋地域で同時多発的に発生する緊張は、一見孤立した事象に見えて、実はグローバルな経済・安全保障の鎖で強く結ばれている。
エネルギー資源の安全保障問題や移民政策を巡る各国の内政問題は、決して対岸の火事ではない。各国の政治リーダーたちが下す決断が、めぐりめぐって私たちの食卓や燃料費、ひいては雇用の安定に直結している。歴史的背景や宗教・文化の相違を踏まえずにニュースを眺めても、表層的な怒りや困惑しか残らない。構造的な背景を理解することによって初めて、世界で起きている地政学的リスクの本当の意味が理解できるのだ。