かつて吉本興業が発行していた月刊誌『マンスリーよしもと』(後の『マンスリーよしもとPLUS』)の名物企画として、2000年にスタートした「男前・ブサイクランキング」。同企画の女性版として設けられた「べっぴん・ぶちゃいくランキング」は、ファン投票によって順位を決定し、劇場の観客動員やメディア露出を左右する巨大な影響力を持っていました。3年連続で1位を獲得すると「殿堂入り」となり、以降の投票対象から外れるという独自のルールも話題を呼びました。
しかし、このランキングは2015年を最後に一度休止へと追い込まれます。その後、2019年に約4年ぶりの復活を果たしたものの、賞金100万円や公式スポンサーを冠した華々しい演出とは裏腹に、世論からは激しい逆風が吹き荒れました。SNS上では「他人の容姿を公然と値踏みする企画を、令和の時代に大手芸能事務所が主導する危うさ」に対する批判が殺到。この2019年開催を境に、同ランキングは事実上の完全終了を迎えました。
背景にある決定打は、社会全体におけるルッキズム(外見至上主義)への忌避感の浸透です。さらに、放送倫理・番組向上機構(BPO)の青少年委員会が2021年以降、「痛みを伴うことを笑いの対象とする番組」や外見・人格を貶める演出に対して厳しい見解を打ち出したことも決定打となりました。テレビ各局のコンプライアンス基準が急速に厳格化し、スポンサー企業もブランドイメージの毀損を恐れて「容姿いじり」を含むコンテンツへの出資を敬遠するようになったのです。