コンサートやライブで最も気になる要素の一つが「ホールの響き」です。アワーズホールの音響特性は、1970年代に建設された多目的ホール特有の構造に起因しています。近年のクラシック専用コンサートホールのように「長い残響時間(2秒前後)」を持たせる設計とは異なり、演劇のセリフやアナウンスが明瞭に届くよう、残響時間は約1.3秒〜1.5秒前後とやや短め(デッド寄り)に調整されています。
この特性は、ジャンルによって評価が分かれるポイントです。フルオーケストラのシンフォニー鑑賞では「もう少し残響の広がりや豊かな余韻が欲しい」というクラシックファンの声が散見される一方、J-POPやロック、演歌、お笑いライブ、ミュージカルにおいては極めて高い評価を得ています。音が壁面で過度に乱反射しないため、「ボーカルの歌詞が驚くほどクリアに聴き取れる」「ドラムやベースのアタック感がボケずに輪郭が立つ」というメリットが際立つためです。実際に著名ミュージシャンの全国ツアー会場として選ばれ続けている理由も、PA(音響拡声装置)による音作りが素直に客席へ届く扱いやすさにあります。
また、同館内に併設されている中ホール(キャパ約390席)も独自の存在感を放っています。可動席を備えた平土間形式の空間設計となっており、小規模な演劇公演や室内楽のリサイタル、伝統芸能、市民団体の活動拠点として親しまれています。大ホールに比べて舞台と客席の境目がシームレスに設計されているため、演者と観客の親密な一体感を生み出す空間として、地域密着型のアットホームな公演で抜群の威力を発揮しています。