給与明細に記載された高額な数字だけでは、歩合制の真の姿を捉えることはできません。SNSや匿名掲示板、業界の労働相談窓口に寄せられた現役プレイヤーたちの生々しい手記を検証すると、光と影のコントラストが浮き彫りになります。
大手ハウスメーカーの営業職(20代・男性)の手記には、次のような生々しい実態が記されています。
「契約が集中した月は月収140万円を超え、同世代が手に入らない高級外車や時計を身につける万能感に浸っていました。しかし、住宅ローンの審査落ちが3連続で重なり、半年間ほぼ成約ゼロが続いた時期は、固定給手取り18万円から家賃とローンを引いて貯金を切り崩す日々でした。携帯の着信音が鳴るだけで胃が縮み上がるようなプレッシャーは、経験した者にしか理解できません。」
さらに深刻なのは、フルコミッションを標榜する保険代理店の元委託営業員(30代・女性)が語る「見えないコスト」の存在です。
「月収100万円と聞けば聞こえはいいですが、見込み客を開拓するためのカフェ代、手土産代、遠方への交通費、セミナー参加費、自腹で契約した各種ツールの利用料で、月40万円以上の経費が消えていました。さらに国民健康保険料と住民税の請求が前年の高収入ベースで容赦なく届き、確定申告を終えた後の手元資金はカツカツでした。数字上の売上と、実際に自分の自由になるお金はまったく別物です。」