生理痛の直接的な元凶となるのが、子宮内膜から分泌されるプロスタグランジンという生理活性物質です。プロスタグランジンには、不要になった子宮内膜を血液とともに体外へ押し出すために子宮平滑筋を収縮させる重要な働きがあります。しかし、この物質が過剰に分泌されると子宮が強く絞り上げられるように痙攣し、激しい下腹部痛や腰痛、さらには血管を伝って吐き気や頭痛まで引き起こします。
食事とこの激痛物質には密接な相関があります。プロスタグランジンの原料となるのは、リノール酸や動物性脂肪に多く含まれる「アラキドン酸」というオメガ6系脂肪酸です。牛や豚の脂身、揚げ物、スナック菓子、市販のルーを使ったカレーなど、いわゆる生理痛を悪化させる食べ物を日常的に多く摂っていると、体内のアラキドン酸濃度が跳ね上がり、連動してプロスタグランジンの産生量が急増します。
日本産科婦人科学会の診療ガイドライン等でも指摘されている通り、月経困難症の主因は過剰なプロスタグランジンによる子宮の虚血と低酸素状態です。脂質バランスが乱れ、さらに血管を収縮させる要因が重なることで、骨盤内の血流は著しく停滞します。食事内容を見直し、炎症を引き起こすプロスタグランジンを増やす食品を控えることは、鎮痛薬を飲むのと同等以上に根本的な疼痛管理のアプローチとなります。