健康診断や診察室で耳にする血圧の「正常値」と、治療現場で医師が設定する「降圧目標値」には微妙な乖離があります。医学的な理想値としての正常血圧は年代を問わず120/80mmHg未満と定義されていますが、加齢に伴い血管のしなやかさが低下する70代がこの数値を素の状態で維持するのは極めて稀です。
医療現場の指針となる日本高血圧学会 ガイドライン 70代 目標値の運用では、年齢を「前期高齢者(70〜74歳)」と「後期高齢者(75歳以上)」に細かく区分して個別の全身状態を重視する方針が定着しています。2026年最新の臨床方針でも、一律に数値を締め付けるのではなく、合併症の有無や身体機能の衰えを総合判定して目標値が微調整されます。
厚生労働省の「国民健康・栄養調査」などの統計を紐解くと、70代男性女性 血圧平均値と正常範囲の真相が浮き彫りになります。未治療者を含む70代男性の収縮期血圧(上の血圧)の平均値は約140〜145mmHg、女性では約138〜142mmHgに達しており、実に7割以上が高血圧の基準に抵触しているのが現実です。つまり、実社会において70代で「140台」を示すことは極めて普遍的な現象と言えます。