単刀直入に結論を言えば、フジテレビ系列新聞社は「産経新聞社(産業経済新聞社)」です。フジテレビ(FNS/FNN系列)と産経新聞は、ラジオ局であるニッポン放送や文化放送、レコード会社のポニーキャニオンなどとともに、日本最大級のメディアコングロマリット「フジサンケイグループ(FCG)」の中核を形成しています。
一般の読者が最も驚くのは、その支配関係の向きです。通常のマスメディア集中排除原則や日本のクロスオーナーシップの慣例では、歴史の長い全国紙がテレビ局の大株主として君臨してきました。日本テレビにおける読売新聞社、テレビ朝日における朝日新聞社がその典型です。ところが、フジサンケイグループにおいては、フジテレビの親会社である認定放送持株会社「株式会社フジ・メディア・ホールディングス(FMH)」が、産経新聞社の株式を約40%保有する筆頭株主という立場にあります。
つまり、関係性としては「新聞社がテレビ局を支配している」のではなく、「テレビ局側の持株会社が新聞社を出資・支援している」という明確な逆転現象が生じています。なぜこのような特異な関係が誕生したのでしょうか。その背景には、昭和のメディア黎明期における壮絶な経営再建劇と、ひとつの名門一族による強烈なリーダーシップが存在しました。