歯磨きを怠ると、食後数時間で食べカスをエサに細菌が増殖し、白くネバネバした歯垢(プラーク)を形成します。この歯垢はわずか約48時間で唾液中のカルシウムと結びつき、石のように硬い「歯石」へと変化。歯石の表面はザラザラしているため、さらに細菌が付着しやすくなる負の連鎖が始まります。
放置の末に待ち受ける最も過酷な現実は、重度の歯周病です。歯周病は「沈黙の病(サイレントディジーズ)」と呼ばれ、初期段階では痛みがありません。しかし、歯肉の奥深くで骨(歯槽骨)をじわじわと溶かし続け、ある日突然、健康に見えていた歯がグラグラと揺れて抜け落ちてしまいます。
また、歯垢や舌苔の腐敗によって発生する硫化水素やメチルメルカプタンなどの揮発性硫黄化合物は、生ゴミや腐卵臭に匹敵する激しい口臭を引き起こし、対人関係や職場での信用を致命的に傷つけます。さらに近年では、歯周病菌が血管内に侵入することで、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病の悪化など、命に関わる全身疾患のトリガーとなる事実が医学的に証明されています。