グラフィック制作の現場において、初期設定の精度は完成度の高低を直接左右する。Adobe Illustratorを使用したDTP (デスクトップパブリッシング) では、単に21×29.7cmの領域を作成するだけでは足りない。実際の印刷工程で行われる裁断のズレを考慮し、上下左右にそれぞれ3mmの「塗り足し(裁ち落とし)」を加えた「21.6×30.3cm」の領域で背景データを描くのが鉄則だ。
近年、手軽なデザイン作成ツールとして普及したCanvaを活用する場合も同様の注意が求められる。初期設定のまま書き出すと用紙の縁に予期せぬ白い余白が残ってしまうことがあるため、設定画面で「印刷用塗り足しを表示」を有効化し、PDF(印刷)形式でCMYKカラーモードを選択して出力することが失敗を防ぐ決定的なコツとなる。