美少年から日本を代表する名バイプレイヤーへ——尾美としのりが駆け抜けた「伝説の青春時代」と半世紀の演技軌跡

美少年から日本を代表する名バイプレイヤーへ——尾美としのりが駆け抜けた「伝説の青春時代」と半世紀の演技軌跡

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1985年の『さびしんぼう』では、クラシック音楽を愛する不器用な高校生・井上ヒロキ役を好演。富田靖子演じるヒロインとの甘く切ないやり取りは、80年代邦画を代表する名シーンとして語り草になっている。

大林監督は生前、尾美の少年性について「彼の眼差しには、大人が失ってしまった青春の影がそのまま映る」と称賛していた。汗ばむ前髪、ぎこちない手つき、思いをうまく言葉にできない吃音めいたセリフ回し——尾美が体現した不器用な若者像は、当時の若者たちの共感を呼び起こし、単なるアイドル俳優とは一線を画す「シネマの申し子」としての確固たる評価を獲得したのだ。

田中 結衣
著者

田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。