カマキリの雌雄を判定する上で、昆虫学者やフィールドワーカーが最も確実な証拠として用いるのが腹板(ふくばん:腹側の外骨格プレート)の数です。カマキリの体を裏返して腹側を観察すると、横に走る筋(節)が確認できます。この節の数が雌雄で根本的に異なっています。
具体的な基準は明確です。オスの腹板は8節、メスの腹板は6節となっています。数え方のコツは、胸部と腹部の境目(後ろ脚の付け根の直後)にある第1節から、お尻の先端に向かって順に視線を動かしていくことです。メスの場合、先端近くにある第6節が非常に大きく発達したボート状のカバーになっており、その中に産卵器官が収まる構造をしています。そのため、末端の節が大きく見え、全体のカウントが6節で終わります。
対照的に、オスは末端に向かっても節が細かく分かれており、比較的小さな節が連続して合計8節存在します。暴れる個体を無理に押さえつけると傷つけてしまうため、透明なプラスチックケースの底面から観察するか、胸部の両脇を指で優しく挟んで固定し、ルーペを用いて確認するのが安全かつ確実です。この構造的な違いは、日本国内に生息する主要なカマキリすべてに共通する普遍的な特徴です。