日本の蛇全種類と毒蛇の見分け方!マムシ・ヤマカガシ遭遇の対処法

日本の蛇全種類と毒蛇の見分け方!マムシ・ヤマカガシ遭遇の対処法

今注目を集めている 日本の蛇全種類と毒蛇の見分け方!マムシ・ヤマカガシ遭遇の対処法について、主要な情報を整理して公開しています。

日本国内で生息する毒蛇の中で、医療関係者が最も警戒を促すのが日本の毒蛇の種類の中でも特異な毒機構を持つヤマカガシと、南西諸島に君臨するハブです。

ヤマカガシが持つ「二つの猛毒」の驚異

かつては無毒でおとなしい蛇と誤認されていたヤマカガシですが、1984年に中学生が咬まれ死亡する事故が発生して以降、その極めて危険な毒性が社会的に周知されました。ヤマカガシ毒性の最大の特徴は、性質の異なる2種類の毒器官を保有している点です。

1つ目は上顎の奥歯(後牙)から分泌される強力な血液凝固阻止毒です。主成分はプロトロンビン活性化物質などで、マムシの出血毒とは異なり、血管内のフィブリノーゲンを急速に消費させて全身の血液を凝固不能(DIC:播種性血管内凝固症候群)に陥らせます。受傷後、数時間から半日ほど経ってから歯茎・皮下・消化管など全身から出血が止まらなくなり、重篤な急性腎不全や脳出血を引き起こします。

2つ目は首の後ろにある頸腺(けいせん)から射出される毒です。ヤマカガシは主食である有毒のニホンヒキガエルを捕食し、その皮膚毒(ブファジエノライド)を自らの頸腺に蓄積・濃縮(毒の再利用)しています。棒などで首を叩いたり踏みつけたりすると、頸腺の皮膚が破れて毒液が飛び散り、目に入ると激痛とともに角膜潰瘍や失明の危機を招きます。

ハブ生息地域と咬傷被害の実態

毒蛇の代名詞とも言えるハブ生息地域は、本州・四国・九州には一切分布しておらず、沖縄諸島および奄美群島を中心とする南西諸島に限られます(※宮古島や八重山諸島には一部別亜種や無毒蛇が生息)。ハブの毒は筋肉組織を強力に融解・壊死させる出血毒であり、体長2メートルを超える大型個体は毒量も桁違いです。沖縄県衛生環境研究所の統計によると、かつて年間数千件発生していたハブ咬傷は、血清の普及と生息環境の分断・環境整備によって近年は年間数十件程度まで減少していますが、今なお受傷後の四肢機能障害などの後遺症リスクは消えていません。

毒蛇咬傷の症状と治療:救命のための医療手順

万が一毒蛇に咬まれた場合、生死を分けるのは現場での誤った処置を避け、いかに迅速に医療機関へ搬送されるかです。毒蛇咬傷の症状と治療において、国立感染症研究所や救急医学会が示す最新の標準治療手順は極めて明確です。

受傷直後は患部が激しく腫脹・疼痛を伴いますが、絶対に走ってはいけません。運動によって血流が加速し、毒が全身に急速に巡るためです。縛り帯で腕や足を強く緊縛する処置も、組織の虚血壊死を招くため推奨されません。口で毒を吸い出す行為も、口腔内の微小な傷から毒が血中へ入る危険があるため厳禁です。

病院では、マムシであれば抗マムシウマ抗毒素血清、ヤマカガシであれば群馬県の日本蛇族学術研究所等に備蓄されている乾燥抗ヤマカガシウマ抗毒素血清の投与が検討されます。早期の血清投与と点滴による腎機能保護管理により、現在では適切な治療を受ければ死亡率は1%未満に抑えられています。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。