地元の大分で過ごした中学時代、事態はある日突然牙を剥いた。下駄箱に放り込まれた「学校に来ないでほしい」という手紙。日常を容易く打ち砕く嫌がらせは、過酷さを増していった。逃げ場を失った彼女は不登校を選び、自室の狭い天井を見つめる日々を送ることになる。精神的な限界を迎えていた当時、外の世界との唯一の接点となったのが、インターネットの掲示板やアイドル文化だった。
地元に留まれば、未来が閉ざされてしまうという強い焦燥感。そこから脱出するための唯一の手段として浮上したのが、東京で開催されるAKB48のオーディションだった。「ここから逃げ出したい」という切実な想いが、上京という一世一代の賭けへと彼女を突き動かしたのである。傷を負ったからこそ選んだ環境の激変。それが、彼女の人生を根本から塗り替える第一歩となった。