世界をリードする大手スポーツブランドも、この靴紐問題に無関心ではない。ナイキ(Nike)やアディダス(Adidas)をはじめとするフットウェア産業の巨頭たちは、シューズ本体の機能性だけでなく、シューレース(靴紐)自体の素材や編み込み構造に莫大な開発費を投じている。かつて主流だったつるつるしたポリエステル製シューレースから、独自の滑り止め加工や伸縮性を持たせた特殊ファイバーへの移行が進む。
特にナイキのフラッグシップモデルに見られるAIR/エアクッショニングシステム搭載シューズでは、着地衝撃の吸収力が極めて高いため、ミッドソールからの反発力に伴う特有の振動が靴紐へ伝わりやすい。これに対応するため、紐の表面に凹凸を設けたアンチスリップ構造や、摩擦抵抗を最適化したオーバル(楕円)型シューレースの採用が標準化している。靴本体のテクノロジー進化と結び方の工夫が噛み合ってこそ、真のフィット感が生まれるのだ。