顔筋トレでシワが増える?皮膚科医が暴く「やりすぎ」の落とし穴

顔筋トレでシワが増える?皮膚科医が暴く「やりすぎ」の落とし穴

顔筋トレでシワが増える?皮膚科医が暴く「やりすぎ」の落とし穴について徹底解説いたします。最新の情報をお届けします。

医学的に見て、顔の筋肉と身体の骨格筋には決定的な構造の違いが存在する。上腕二頭筋や大腿四頭筋が骨と骨を結んでいるのに対し、顔の表情筋は「骨と皮膚」を直接結んでいる皮筋(ひきん)だ。つまり、筋肉を大きく収縮させるたび、その表面を覆う薄い皮膚は直接的な牽引力を受け、物理的に激しく折りたたまれる。

日本形成外科学会の専門医らは、表情筋を鍛え上げようとする過剰な動きが、皮膚のハリを支えるコラーゲン線維やエラスチンを断裂させる危険性を指摘する。紙を何度も同じ場所で折り曲げれば、やがて深い折り目がついて元に戻らなくなるのと理屈は同じだ。日本美容皮膚科学会の学術大会でも、強すぎる外力や持続的な摩擦が表皮のバリア機能を損ない、炎症性の色素沈着やシワの固定化を招くメカニズムが繰り返し議論されている。皮膚を支える土台であるSMAS(表在性筋膜)の脆弱性を無視したトレーニングは、アンチエイジング医学の観点からも極めて危うい賭けに他ならない。

佐藤 大輔
著者

佐藤 大輔

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。