こうした背景を受け、2026年に入り急速に市場を拡大しているのが「デジタル遺品消去」を専門とするセキュリティスタートアップだ。一定期間デバイスの操作がない場合、クラウド上の機密フォルダや閲覧履歴を自動的に軍事レベルの暗号化アルゴリズムで破棄する「デッドマン・スイッチ」アプリの導入率が、30代から50代の間で爆発的に跳ね上がっている。
「自分の死後、プライバシーが暴かれることへの恐怖は、財産を残せない焦りよりも強い」と語るのは、都内のIT企業に勤める40代の男性だ。彼はすでに月額制の自動データ消去サービスを契約している。「秘密を持ち込めない時代だからこそ、テクノロジーの力で強制的にデータを消滅させる必要がある」と力を込める。