SNSや大手質問掲示板、教習生コミュニティを徹底調査すると、「S字で3回連続補講になった」「検定本番で頭が真っ白になり脱輪した」という悲痛な叫びが多数散見されます。こうした生の声をつぶさに分析すると、受講生が操作に遅れを取る構造的なパターンが浮き彫りになります。
取材に応じた関東圏の現役指定自動車教習所指導員(指導歴14年)は、現場の実情を次のように明かします。
「指導員席から補助ブレーキを踏まざるを得ない教習生のほぼ100%が、教習所S字カーブ通過手順における“車の基本位置”を誤解しています。カーブのど真ん中を通ろうとするから、内輪差で後輪が落ちるのです。正解は、『外側の前輪を縁石から30〜50cmの間隔で沿わせ続ける』ことです。外側ギリギリをトレースしていれば、内側には必ず1m以上のクリアランスが生まれ、後輪が脱輪することは構造上あり得ません」
教習生がつまずくもう一つの原因は、視覚情報の処理能力です。ネットの掲示板には「自分の座席からフロントガラス越しに見える景色が歪んで見え、タイヤがどこにあるかわからない」という不安が多く投稿されています。これこそがS字カーブ車体感覚の掴み方における最初の壁です。運転席は車両の中心ではなく右側に偏っているため、左カーブと右カーブで知覚される車幅の感覚には強い左右非対称性が生じます。この錯視を克服できないままカーブへ突入することが、ステアリング操作の遅れを招いているのです。