「街のおもちゃ屋」を駆逐した張本人とも言われたトイザらス自身も、近年は各地で閉店が相次ぎ、「日本からも撤退するのではないか」という噂がネット上を駆け巡りました。この閉店ラッシュの背景には、本国アメリカ法人の経営破綻と、日本市場における消費行動の劇的な変化が存在します。
2017年に米トイザらスが連邦破産法11条(チャプター11)を申請した際、日本法人は別法人として営業を継続したものの、ロードサイド型巨大店舗のビジネスモデルは曲がり角を迎えていました。坪数500坪〜1,000坪を超える単独ロードサイド店舗は、莫大な固定資産税や賃料、光熱費の負担が重く、平日の集客力低下が収益を圧迫していたのです。
日本トイザらスが下した決断は、単なる撤退ではなく「スクラップ&ビルドによるモールシフト」でした。ロードサイドの不採算店舗を整理する一方で、ファミリー層が日常的に集まるイオンモールや三井ショッピングパークなどの大型商業施設内へ出店を加速。同時に「トイザらス」とマタニティ・乳幼児向け「ベビーザらス」を統合した併設型店舗を展開し、顧客のライフステージに寄り添う戦略へと舵を切りました。
2026年現在では、棚に商品を詰め込む従来の倉庫型陳列から脱却し、子供が実際に知育玩具やおもちゃに触れて遊べる「プレイテーブル」の拡充、大人のコレクター層を狙った「キダルト(Kidult)専用コーナー」の設置など、リアル店舗ならではの体験価値を提供する空間へと生まれ変わっています。