「2回目の感染だから軽症で済むはずだ」という楽観論には、医学的な根拠が乏しい。世界的な医学論文データベースPubMedに集積された最新のコホート研究では、感染回数を重ねるごとに急性期の重症化リスクだけでなく、中長期的な健康被害のリスクが階段状に跳ね上がることが報告されている。
米国の国家規模プロジェクトであるNIH RECOVER Initiative(米国立衛生研究所の後遺症研究イニシアチブ)の調査結果は、医療関係者に大きな衝撃を与えた。再感染を経験した患者群は、初感染のみのグループと比較して、全身の倦怠感、ブレインフォグ(脳の霧)、息切れ、自律神経失調症などの「Long COVID(後遺症)」を発症する確率が有意に高い。微小な血栓による微小血管の閉塞や、体内に残存したウイルス抗原による慢性的な炎症、さらには自己免疫の異常反応が、感染のたびに身体の深部へと不可逆的な負荷をかけていく現実を直視しなければならない。