不妊治療の最終的な選択肢の一つとして、第三者から卵子の提供を受けて自らの子宮で妊娠・出産する「卵子提供」。日本の芸能界において、この事実を公の場で自ら明かした代表的な人物が衆議院議員の野田聖子氏です。
野田氏は、40代を通じて14回以上に及ぶ過酷な体外受精を経験したものの着床に至らず、自身の卵子での妊娠を断念せざるを得ない局面に立たされました。2011年、50歳のときにアメリカへ渡航し、匿名の第三者(白人女性ドナー)から提供された卵子と夫の精子を受精させ、自身の胎内で育てる体外受精を実施。無事に出産へと至りました。この一連の経緯は、自著『生まれたら、公表します』などの手記や報道を通じて詳細に語られ、日本社会における生殖医療のあり方に一石を投じる契機となりました。
公の場で語られた手記の中では、「自分の遺伝子を残すことへの執着を手放すまでの葛藤」や、「母になりたいという強い願いと倫理的批判との間で揺れ動いた苦悩」が赤裸々に綴られています。公表理由について野田氏は、政治家としての立場から「不妊治療に苦しむ女性たちの選択肢を広げ、法整備を促すための問題提起」であったと述べています。
海外では歌手のセリーヌ・ディオンや女優のキャメロン・ディアスなどが40代後半から50代にかけて生殖医療のサポートを受けて出産したことを公言しており、日本国内でもモデルや文化人がブログ・SNS等で海外生殖医療の体験談を匿名・実名で発信する事例が見られるようになっています。