ネット上のコミュニティでは「一度推薦された死亡叙位は断ることができない」「辞退すると過去の年金や退職金に影響が出るのではないか」という根拠のない噂が囁かれますが、これは明確な誤解です。受章は国民の権利であり義務ではないため、遺族の意向で辞退することが法的に認められています。
近年増えている死亡叙位の辞退理由の深層には、以下のような現実的な事情が存在します。
- 思想・信条および宗教的理由:天皇制や国家栄典に対する生前の信条、特定の宗教観から受章を好まないケース。
- 遺族間の意見対立や疎遠:故人と親族の折り合いが悪く、手続きに要する戸籍謄本の取得や連絡を拒絶するケース。
- 手続き負担と心理的疲弊:葬儀直後のグリーフ(悲嘆)を抱える時期に、役所との頻繁なやりとりに耐えられないケース。
【プロの結論】受章を前向きに受け入れるべき人・辞退を検討すべき人の判断基準
死亡叙位の受け入れに関して判断に迷った場合、以下の基準を照らし合わせて客観的に検討することをおすすめします。
【受け入れを推奨するケース】
- 故人が生前、自身の仕事に誇りを持ち、組織や地域への貢献をライフワークとしていた場合
- 孫や次世代に「故人が社会に尽くした証」を形として残し、誇りとして語り継ぎたい場合
- 元職場の同僚や教え子たちが故人の功績を強く称え、推薦に尽力してくれた場合
【辞退を前向きに検討すべきケース】
- 故人が生前、明確に国家栄典の辞退を遺言や口頭で周囲に言い残していた場合
- 遺族関係が複雑で、位記の管理や保管場所を巡って親族間で争いが生じる懸念がある場合
- 手続きに伴う精神的・実務的負担が遺族の健康を損なう恐れがある場合