毛沢東元秘書・李鋭が遺した日記の衝撃!体制の闇と米中法廷闘争の深層

毛沢東元秘書・李鋭が遺した日記の衝撃!体制の闇と米中法廷闘争の深層

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李鋭が1935年から2018年までの83年間にわたって書き綴った日記、会議記録、詩作、書簡などの一次資料は、現在、米スタンフォード大学フーヴァー研究所(Hoover Institution)の貴重書庫に収蔵されています。この人類史的遺産がどのようにして海を渡り、なぜ今、米中法廷闘争の火種となっているのか、その実態はスパイ小説を凌ぐ緊迫感に満ちています。

北京の自宅に保管されていたこれらの資料は、政権による押収と破棄の危機に常に晒されていました。そこで、李鋭の愛娘であり自身も文革期に過酷な青春を送った李南央(李南央 李鋭)氏が、父の明確な委任と了解のもと、2014年から数年をかけて秘密裏に米国へと持ち出しました。蔣介石日記の保存などで世界的な権威を持つフーヴァー研究所は、これらの資料を永久保存し、広く一般の研究者に無償公開することを決定したのです。

しかし、2019年2月に李鋭が逝去すると、中国当局の影が即座に忍び寄ります。李鋭の後妻(継母)である張玉珍氏を原告に仕立て上げ、「日記は李鋭の遺産であり、配偶者である自分に所有権がある」として北京西城区人民法院に李南央氏を提訴させたのです。北京の裁判所は原告側の主張を全面的に認め、日記の原本を張玉珍氏へ返還するよう命じる判決を下しました。

これに対し、フーヴァー研究所側は屈しませんでした。同研究所は米カリフォルニア州の連邦地方裁判所に提訴し、「日記の寄贈は李鋭本人の自由意志による合法的贈与であり、中国の判決には米国法上の執行力がない」として、所有権の確認を求めたのです。海外の中国研究者コミュニティからは、「もし原本が北京に戻れば、即座に焼却されるか、国家機密として永久に地下金庫へ封印されることは火を見るより明らかだ」という悲痛な声が上がっています。李鋭日記を巡る法廷闘争は、一家族の遺産争いなどではなく、「国家権力による歴史の書き換え」と「自由世界における歴史記録の防衛」が激突する地政学的な戦場となっているのです。

森 瞳
著者

森 瞳

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