順風満帆に見えたキャリアの途上、彼は大きなターニングポイントを迎える。所属事務所スウィートパワーとの契約解消をめぐる騒動と、それに伴う独立劇だ。芸能界において既存の知名度を手放し本名に戻る決断は、大きなリスクを伴う。しかし、彼が選んだのは「水上恒司」という自らの出生の名で生きる道だった。
改名の背景にあったのは、他人が作ってくれた像ではなく、一人の人間として誇りを持って表現に向き合いたいという強い信念だ。事務所主導のイメージづくりから脱却し、己の責任で作品を選び、役と向き合う。この覚悟の選択こそが、その後の彼の演技にさらなる鋭さと深みを与える契機となったのは間違いない。