SNSや大手掲示板の書き込みを調査すると、年収800万円層のリアルな叫びが生々しく可視化されます。そこから見えてくるのは、統計上のエリートという数字と、当事者が抱く主観的な幸福感との巨大な断絶です。
都内大手メーカーに勤務する40代男性は、自らの手記で次のように胸中を吐露しています。
「30代半ばで年収800万円に届いたときは、これで人生安泰だと思った。しかし、東京23区内で家族4人が暮らすマンションを買おうとすれば中古でも7,000万〜8,000万円。周りの同僚が当たり前のように子どもを中学受験塾に通わせているのを見て真似をした結果、日々の外食すら躊躇する生活になった。どこが勝ち組なのか自分でも分からない」
ネット上のコミュニティ(X、Yahoo!知恵袋、5chなど)でも、同様の意見が後を絶ちません。
- 「額面800万なのに住民税と所得税、社会保険料の明細を見るたびにため息が出る。国の財布代わりにされている気分だ」
- 「地方在住の独身なら神のような暮らしができるが、東京で妻子持ちの800万は中流の下。スーパーで半額シールを探している」
- 「同僚やママ友との付き合いで『年収800万あるならこれくらい当然でしょ』という無言のプレッシャーに晒され、生活レベルを下げられない」
社会心理学において指摘される「相対的剥奪感」が、この年収帯では極めて強く働きます。年収800万円に到達するビジネスパーソンは、職場や生活圏において年収1,000万〜1,500万円超のプレイヤーと接する機会が日常的に増えます。周囲の消費水準(タワーマンション、輸入車、ハイブランド、私立一貫校)に無意識のうちに基準を合わせてしまい、自分自身の支出を膨らませてしまう「ライフスタイル・インフレ」の罠に最も嵌まりやすいポジションなのです。