SNSやコミュニティ掲示板で頻繁に見られる「年収1000万円もあるのになぜ貯まらないのか」という疑問に対し、多くの人は高級外車やブランド品の買い漁りを想像しがちです。しかし、実際の取材現場で見えてくる真実はまったく異なります。
破綻予備軍となっている家庭の多くは、決して派手な浪費をしているわけではありません。彼らを蝕んでいるのは、日々の暮らしに紛れ込んだ「名もなきプチ贅沢の連鎖」です。
例えば、日々の食料品を安売りスーパーではなく成城石井やデパ地下で日常的に購入する、週末の外食で1回あたり1万〜1万5000円を惜しみなく使う、最新のガジェットやサブスクリプションサービスを無計画に契約し続けるといった行動です。一つひとつの支出は数千円から1万円程度であるため、「これくらい年収があるのだから問題ない」という心理的麻痺(ラチェット効果)が生じます。
自著や家計診断の手記を寄せるファイナンシャルプランナーたちの証言でも、「最も家計の見直しに難色を示すのが、生活レベルを無意識に上げてしまった年収1000万円前後の層である」と一致して指摘されています。贅沢をしている自覚がないまま固定費と変動費が膨らみ続けることこそが、資産形成を阻む最大の盲点です。