「神は言っているここで死ぬさだめではないと」元ネタと怪作の真相

「神は言っているここで死ぬさだめではないと」元ネタと怪作の真相

話題沸騰中の 「神は言っているここで死ぬさだめではないと」元ネタと怪作の真相について、詳しいまとめを整理して公開しています。

ネットカルチャーの歴史にその名を刻む名フレーズ「神は言っている、ここで死ぬさだめではないと」。このセリフの正体は、2011年に発売されたPlayStation 3/Xbox 360用アクションゲーム『El Shaddai - エルシャダイ -』の予告映像(エルシャダイ PV 公式)に登場する、大天使ルシフェルの語りです。

事の発端は、2010年6月にアメリカで開催された世界最大級のゲーム見本市「E3 2010」に向けて公開されたプロモーション映像でした。旧約聖書の偽典『エノク書』を大胆に翻案したこの作品で、主人公イーノック(CV:三木眞一郎)は地上を浄化しようとする天界からの命令を受け、堕天使たちを捕縛するために地上へと降り立ちます。その彼を導くナビゲーター役として登場するのが、スーツに身を包み、現代的な黒電話を携えた異形の天使、ルシフェル(CV:竹内良太)でした。

話題となった問題のシーンは、下界の過酷な戦場へと向かうイーノックに対し、ルシフェルが「そんな装備で大丈夫か?」と問いかけるところから始まります。これに対し、イーノックは自信満々の笑みを浮かべ、「大丈夫だ、問題ない」と軽装のまま戦場へダイブ。しかし、待ち受けていた異形の敵になす術もなくタコ殴りにされ、わずか数秒で無残にも敗北してしまいます。

画面が暗転し、絶体絶命の敗北を迎えたその瞬間――突如としてルシフェルが指をパチンと鳴らし、時間が逆戻りします。そこで響き渡るのが、重厚で艶のある低音ボイスによる次のセリフです。

「神は言っている、ここで死ぬ定めではないと」

巻き戻された戦前の場面で、ルシフェルは再び「そんな装備で大丈夫か?」と同じ問いを投げかけます。痛い目を見たイーノックは、静かに首を横に振り、神妙な面持ちで答えました。

「一番いいのを頼む」

今度は神から授かった金色の重厚な甲冑を纏い、敵を圧倒的な力で粉砕していくイーノック。このわずか数分間の劇的な構成、シリアスな世界観とシュールなコメディの境界線を突っ走るテンポの良さが、公開と同時に当時のネットユーザーの心を鷲づかみにしました。

佐々木 一輝
著者

佐々木 一輝

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。