空間の使い方も革新的だ。館内では、富山市立図書館本館と美術館が明確な壁で仕切られることなく、シームレスに繋がっている。本を探して歩いているうちに、ふと目線を上げれば現代ガラスの傑作が視界に入る。あるいは、アート鑑賞の余韻に浸りながら、すぐ横の書棚で建築やデザインの専門書を手に取る。
観光客がカメラを向ける横で、地元の高校生が静かに受験勉強に励み、高齢者が日刊紙に目を通す。高尚なアートと人々の生活のリアルが、これほど自然に溶け込んでいる空間は世界的にも珍しい。カルチャーを特別視せず、日々の営みの中に贅沢に組み込む思想が、このフロア設計全体を貫いている。