フェラーリF2004の凄まじさを語る上で、まず直視すべきは冷徹なまでの数字です。F1 2004年シーズン勝敗結果を振り返ると、全18戦のうちフェラーリは実質的にライバルを寄せ付けず、実に15勝(勝率83.3%)をマークしました。そのうちエースのミハエル・シューマッハが開幕5連勝を含むシーズン13勝を挙げ、チームメイトのルーベンス・バリチェロが2勝を上積みして、他チームに付け入る隙を一切与えませんでした。
当時のFIA公式計時データが物語る通り、この年のフェラーリが叩き出した速さは異次元でした。オーストラリア(アルバート・パーク)、バーレーン、スペイン(カタロニア)、イタリア(モンツァ)など、世界各地のグランプリで樹立されたコースレコード記録は、その後のV8エンジン時代(2006〜2013年)やハイブリッド初期(2014〜2016年)を経ても、10年以上の長きにわたって破られることがありませんでした。極限まで煮詰められたエアロダイナミクスと、溝付きタイヤ(グルーブドタイヤ)というグリップ制限下で記録されたタイムであった事実が、マシンのポテンシャルの凄まじさを如実に証明しています。