1990年代後半の日本は、阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件、ノストラダムスの大予言に代表される終末論が社会を覆い、若者と大人の分断、少年犯罪の凶悪化などが連日議論されていた激動の時代でした。『ぼくらの勇気 未満都市』は、そうした「大人たちへの不信感」と「不透明な未来への不安」を抱える少年少女の心理的境界線(バウンダリー)を鮮やかに切り取った社会派ジュブナイルです。
子どもの権利条約や自立をめぐる社会学的な観点から見ても、隔離された極限状態の中で「自分たちの法と秩序」を一から作り上げていくプロットは、民主主義の縮図としても秀逸な構造を持っています。
【判断基準】今から本作を観るべき人・慎重になるべき人
- 今すぐ観るべき人:
- 90年代後半のカルチャーや堤幸彦演出の初期衝動を体感したい人
- KinKi Kids、相葉雅紀、松本潤らの原点となる演技と圧倒的な熱量を確認したい人
- 国家の隠蔽やディストピアサバイバルをテーマにした骨太なジュブナイル作品が好きな人
- 視聴に慎重になるべき人:
- 最新のCGや洗練された特殊効果を期待している人(当時の特撮・セット技術には時代相応のアナログ感があります)
- 暴力的描写や子どもが窮地に追い込まれる重苦しいサスペンス展開が苦手な人