中曽根康弘という政治家を語る上で欠かせないキーワードが「戦後政治総決算」である。1980年代、国鉄や日本電信電話公社、日本専売公社の民営化を果たした行政改革は、戦後日本のかたちを根本から変えた。自衛隊の防衛費1%枠撤廃や「ロン・ヤス」と呼ばれたレーガン米大統領との緊密な首脳外交も、彼の信念から生まれたものだ。
彼が生涯をかけて取り組んだ改革の原動力を探ると、故郷である群馬の風土と実家の力強いルーツに行き着く。上州の荒波に揉まれた実業の家系が、いかにして国政のトップへと昇り詰めたのか。その歩みは日本の政治史における重要な1ページとして、今も研究対象となっている。