半世紀以上に及ぶ結婚生活は、決して平坦な道ばかりではありませんでした。武田さんが60代を迎えた頃、芸能界内外で離婚危機の真相が大きくクローズアップされた時期があります。
引き金となったのは、武田さんを襲った男性更年期障害による深刻なうつ状態と、2011年に受けた大動脈弁狭窄症の心臓手術でした。体調の悪化とともに気分の浮き沈みが激しくなり、家庭内で過剰な愚痴や被害妄想をぶつけてしまう日々が続いた武田さんに対し、節子さんも心身ともに疲弊。「このまま一緒にいたら共倒れになる」と、妻から本気の別居や離婚を突きつけられた瞬間があったことを、武田さん自身が告白しています。
しかし、そこで夫婦の縁が切れなかったのは、節子さんが「病気の夫」に過度に寄り添いすぎず、あえて凛とした距離を保ったからでした。感情に流されず、「自分の足で立ち直りなさい」と突き放すような冷静さを見せたことで、武田さんは自らの甘えを自覚し、治療とリハビリに真摯に向き合う契機を得たのです。